失敗しない遺言書の書き方
2015年10月25日11:12 PM カテゴリー:お悩み
遺言書には、大きく分けて2種類あります。ひとつは自分で書く「自筆証書」、もうひとつは公証役場で公証人に作成してもらう「公正証書」です。
今回はタイトルにありますように「失敗しない遺言書」について、ご紹介させていただきたいので、公証役場で公証人に作成してもらう「公正証書遺言」をお勧めしたいと思います。
その前に・・・
~豆知識~
公証人は、実務経験を有する法律実務家の中から、法務大臣が任命する公務員で、公証役場で執務しています。
公証人の仕事は、大きく分けて
① 公正証書の作成、
② 私署証書や会社等の定款に対する認証の付与、
③ 私署証書に対する確定日付の付与
の3種類があります。
① の「公正証書の作成」については、「遺言」「離婚」「任意後見契約」「金銭消費貸借契約」「土地建物賃貸契約」などがあります。
②の「認証」というのは、私人が作成した文書について、文書の成立及び作成手続の正当性を証明するものです。
③の「確定日付の付与」というのは、私文書に確定日付を付与し、その日にその文書が存在したことを証明するものです。
自筆証書で「失敗しない遺言書」を作成することは、とても難しい
自筆証書遺言は
①遺言者が、
②紙に、
③自ら、遺言の内容の全文を書き、
④日付、
⑤氏名を書いて、
⑥署名の下に押印
することにより作成する遺言です。
※すべてを自書しないとだめで、パソコンによるものは無効です。
自筆証書遺言は、自分で書けばよいので費用もかからず、いつでも書けるというメリットがありますが、デメリットが沢山!
法律的に見て不備な内容になってしまう危険や、後に紛争の種を残したり、無効になってしまう場合もあるのです。
しかも、誤りを訂正した場合には、訂正した箇所に押印をし、さらに、どこをどのように訂正したかということを付記して、そこにも署名しなければならないなど方式が厳格なので、方式不備で無効になってしまう危険もつきまといます。
また、自筆証書遺言は、その遺言書を発見した者が必ず家庭裁判所にこれを持参、相続人全員に呼出状を発送した上、その遺言書を検認するための検認手続を経なければなりません。さらに、自筆証書遺言は、これを発見した者が自分に不利なことが書いてあると思ったときなどには、破棄したり、隠匿や改ざんをしたりしてしまう危険がないとはいえません。
自筆証書遺言が大変であることはご理解いただけたことと思います・・・
公正証書遺言
公正証書遺言は遺言者が公証人の前で遺言の内容を口授し、それに基づいて、公証人が遺言者の真意を正確に文章にまとめ、公正証書遺言として作成するものです。
遺言者が遺言をする際には、どのような内容にしようかと悩むこともあるかと思いますが、公証人に相談しながら、遺言者にとって最善と思われる遺言書を作成していくことになります。
公正証書遺言は、家庭裁判所で検認の手続を経る必要がありません。相続開始後、速やかに遺言の内容を実現することができます。さらに、原本が必ず公証役場に保管されますので、遺言書が破棄されたり、隠匿や改ざんをされたりする心配もありません。
また自筆証書遺言は、全文を自分で自書しなければなりませんが、病気等のために自書が困難な場合には、公証人に依頼すれば、そのような場合でも遺言をすることができます。
遺言者が病気等のために公証役場に出向くことが困難な場合、公証人が遺言者の自宅又は病院等へ出張して遺言書を作成することもできます。
失敗しない遺言書の書き方
公正証書遺言が良いことはご理解いただけたと思います。
さて、このコラムのタイトルである「失敗しない遺言書」とはいったいどういうものでしょうか?
それは、税理士、行政書士である専門家を介して、相続税や贈与税を踏まえた内容を検討し、それを公正証書遺言にしておくというのが結論です。
そうすることで節税もでき、公証人とのやりとりも専門家に任せることができるので、必要最小限の労力で最適な遺言書を作成することができるのです。
「税理士」と「行政書士」というふたつの資格がないと、ここでいう「失敗しない遺言書」の仕事を受任することはできません。
ご興味をお持ちになられた方は菅原英子税理士事務所・菅原英子行政書士事務所までお気軽にご連絡してください。
きっと、相談してよかったと思っていただけるものと思います。